歯周病、善玉コレステロール激減し動脈硬化も?

歯周病、善玉コレステロール激減し動脈硬化も

以下は、記事の抜粋です。


歯周病が動脈硬化症を悪化させるメカニズムを、新潟大学の山崎教授(歯周病学)らのグループが解明した。歯周病の病原菌には、動脈硬化の原因の「悪玉コレステロール」を回収する力を持つ「善玉コレステロール」を減らす作用があることを突き止めた。世界初の成果といい、米電子版科学誌「プロスワン」で5月20日発表する。

マウスを歯周病原細菌に感染させて、正常なマウスと比べたところ、歯周病のマウスは、血中善玉コレステロールの量が半減し、大動脈の悪玉コレステロール蓄積面積が、正常のマウスの2.25倍となり、動脈硬化症が著しく悪化することが分かった。

山崎教授は「歯周病の予防・治療が、動脈硬化症対策にも結びつく」としている。


元論文のタイトルは、”Chronic Oral Infection with Porphyromonas gingivalis Accelerates Atheroma Formation by Shifting the Lipid Profile”です(論文をみる)。

PLos ONEはフルテキストが公開されています。論文を読むと上の記事が正確ではないことがわかります。論文では2種類のマウスを用いています。1つは野生型、もう1つはアポE欠損による自然発症高脂血症マウスです。

その結果、歯周病原細菌に感染させた野生マウスでは血中HDLが約5%が下がっただけで、動脈硬化は非感染と差がありませんでした。高脂血症マウスでは、VLDLが24%、LDLが43%増加し、HDLが39%低下しました。さらに、高脂血症マウスでは記事の様に、動脈硬化が有意に増加しました。

論文の結論は、「歯周病自身は動脈硬化をひきおこす訳ではないが、高脂血症が合併する場合には動脈硬化を加速する。」です。完全に間違っているわけではありませんが、誤解を生じやすい記事だと思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする