「ヨウ素を含む消毒液などを飲んではいけません」、安定ヨウ素剤の予防服用について

ヨウ素を含む消毒液などを飲んではいけません

厚生労働省の報道発表がリンクする放射線医学研究所HPには、以下のように書かれています。


放射性ヨウ素が大量に体の中に入った場合、健康への影響を低減するために、内服薬である『安定ヨウ素剤』を医師が処方する場合があります。

市販品としてヨウ素を含んだものはたくさんあります。ヨードチンキ、うがい薬、のどスプレー、消毒用せっけん、ルゴール液などです。これらを内服薬である『安定ヨウ素剤』の代わりに飲むのは絶対にやめてください。

理由は以下のとおりです。
・うがい薬などの市販品は内服薬ではありません。これにはヨウ素以外の成分が多く含まれ、体に有害な作用を及ぼす可能性のある物質も含まれます。
・たとえ飲んだとしても、ヨウ素含有量が少なく、放射性ヨウ素が集まるのを抑制する効果がありません。
わかめ等の海藻にもヨウ素が含まれますが、これらも効果がありません。
・含まれる安定ヨウ素が一定ではなく、十分な効果を得られるかは不明です。
・コンブなどは良く噛まなければならず、消化過程が必要であり、吸収までの時間がかかります。

以上のことから、消毒剤やうがい薬などのヨウ素を含んだ市販品は『安定ヨウ素剤』の代わりに飲んではいけません。また海藻等を食べても十分な効果はありません。『安定ヨウ素剤』を医師が処方するものです。

原子力災害などの緊急時に、指定された避難所などで服用指示があった場合のみ、服用してください。


上記のように、消毒用ヨウ素液を飲んだらダメなことはもちろんですが、40歳以上の場合は飲む必要がないことなどが書かれていないので、もう少し詳しい説明を探してみました。以下は、「緊急被ばく医療研修のホームページ」からの抜粋です(ホームページをみる)。


安定ヨウ素剤の服用目的と効果
原子力災害で放出される放射性ヨウ素を、人が吸入し身体に取り込むと、放射性ヨウ素は甲状腺に選択的に集積するため、放射線の内部被ばくによる甲状腺がんなどを発生させる可能性がある。この内部被ばくに対しては、安定ヨウ素剤を予防的に服用すれば、放射性ヨウ素の甲状腺への集積を防ぐことができるため、甲状腺への放射線被ばくを阻止・低減させる効果がある。

安定ヨウ素剤の予防服用
周辺住民などが退避し集合した場所などにおいて、周辺住民などに確実かつ速やかに服用させる必要がある。原則1回のみの服用で、重複投与を防止する。

服用対象者
安定ヨウ素剤の服用は、40歳未満の者を対象とする。40歳以上では、放射線被ばくにより誘発される甲状腺発がんのリスクが認められないことから服用対象者とはしない。

特に新生児、乳幼児や妊婦の服用を優先させる。乳幼児は、甲状腺濾胞細胞の分裂が成人に比べて活発であり、放射線によるDNA損傷の影響が危惧され、安定ヨウ素剤予防服用の効果もより大きい。胎児の被ばくを低減・阻止する目的で、40歳以上の者であっても、妊婦の場合は服用の対象とする。

ヨウ素過敏症の既往歴のある者など、服用対象者から除外される者についても決められています(オリジナルサイトをみる)。


安定ヨウ素剤を服用する理由は、上記のように放射性ヨウ素が甲状腺に集積するのを防ぐためです。WHOは、小児が甲状腺癌になりやすいことを考慮して、若年者に対しては、予測線量が10mSv を超える場合に服用することを推奨しています。

スリーマイル島原子力発電所の原子炉は、炉心部が圧力容器や格納容器で密封されている点で、福島の原子炉と共通しています。1978年の事故では、炉心の冷却水の水位が下がり、炉心が露出、炉内燃料の融解がおこりました。この結果、放射性希ガスや放射性ヨウ素などの気体が大気中に放出されました。しかし、原子炉圧力容器は、破壊されませんでした。この事件の場合、最大の被ばく線量でも1mSvであり、健康上問題となるような被ばくはありませんでした。

福島原発の事故を受け厚生労働省は3月15日、同原発で作業にあたる人の被ばく線量の上限について、100mSvから250mSvに引き上げることを認めました。官邸から事故対応に必要として要請があり、労働安全衛生法規則の例外として認めたそうです。国際放射線防護委員会の90年の勧告は「500mSvを超えない」と提言しており、これを踏まえたものです。

また、胸部レントゲン撮影1枚で0.065mSv、胃腸のバリウム透視は2.0mSv、注腸バリウム撮影は3.2mSvです。マルチディテクターCTでは、頭部で2.1mSv、胸部14mSv、腹部16mSv、骨盤部16mSvです。

これらの数字から被ばく線量の過多を判断してください。また、マスコミ報道発表における線量では、「毎時(/h)」という表現が抜けていることが多いのでご注意ください。

福島の事故で、安定ヨウ素剤を服用する状況に至るどうかはわかりませんが、その場合でも上記のサイトなどを参考に慎重に行動し、間違っても消毒液を飲んだりしないようにしましょう。

原発のことが気になるので、早野さんのサイトの”What am I doing?”を時々フォローしています。現場の方々のご努力に感謝と期待の毎日です。

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