病院は、”NO SMOKING”から”NO SMOKERS”へシフト

Hospitals Shift Smoking Bans to Smoker Ban

以下は、記事の抜粋です。(New York Times 2月11日)


病院や医療関係のビジネスでは、就職希望者に対して喫煙を門前払いの理由にする厳しいポリシーを採用するところが増えている。理由は、生産性を上げて、ヘルスケア・コストを下げ、より健康な生活を奨励するためだという。

新しいルールは、タバコを違法薬物のように扱う。求人には「非喫煙者募集」と明記し、応募者は尿中ニコチン検査を受けなければならないし、従業員は喫煙がみつかれば解雇される。このような病院や企業が増えれば、喫煙のために失業という事態が増える可能性がある。

このようなポリシーを採用する組織は増え続けており、主流になろうとしている。例えば、フロリダ、マサチューセッツ、ミズーリ、オハイオ、ペンシルバニア、テネシー、テキサスなどの病院は、昨年、喫煙者の雇用を止めた。他の州でも検討中である。ある病院関係者は、数年のうちに主な病院はすべて喫煙者を雇用しなくなるだろうと述べた。

20年前にアラスカ航空などの大会社が同様のポリシーを決めた時、29の州とコロンビア特別区は喫煙者を差別することを禁じる法律を制定した。これはタバコ産業の活発なロビー活動の成果だったのだが、今回はそんな動きはないという。


日本でも「日本呼吸器学会」は、「呼吸器専門医」認定申請の条件に「非喫煙者であること。」をあげています(規則をみる)。

また、厚生労働省の研究班が企業の人事担当者を対象に行った調査によると、たばこを吸うかどうかが、大学生の採用に影響した可能性があるとする企業が30%に上り、たばこを吸わないことを採用基準の一つとすることについては、8%が「今後は基準にしてもよい」、46%が「基準ではないが、考慮の対象にしてもよい」と回答したそうです(記事をみる)。

これについて、研究班では、分煙化で喫煙のたびに席を離れると仕事の効率が下がることや、喫煙者は肺がんなどの危険が高く、医療費の負担が重くなることなどへの懸念が背景にあるのではないかと分析しているそうですので、理由はアメリカとほぼ同じです。

一方、生産性、ヘルスケア・コストや健康的な生活などに悪い影響をもつものはタバコだけに限りません。アルコールはヘルスケア・コストを上げるだけでなく、受動喫煙と同様に第三者を傷つけることもあります。また、ヘルスケア・コストだけを理由にするなら、肥満や遺伝病なども医療費負担を増やします。

個人的には、大学や病院への雇用や医学系大学院への入学で喫煙者を排除しても良いと思うのですが、飲酒や肥満や遺伝病は排除すべきではないと思います。遺伝病は本人に責任がないので当然としても、飲酒や肥満と喫煙の間の線を引く根拠はなかなかみつけられません。

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“NO SMOKING”(左)と”NO SMOKERS”(右)

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