受動喫煙による疾病負担―世界192ヶ国におけるレトロスペクティブ解析のまとめ

受動喫煙で年間60万人以上が死亡…WHO推計
以下は、記事の抜粋です。


他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙が原因で世界中で年間60万人以上が死亡しているとの推計を、世界保健機関(WHO)などのグループがまとめ、11月26日付の英医学誌ランセットに発表した。

研究グループは、世界192か国の喫煙調査やWHOデータなどをもとに、受動喫煙にさらされている割合や、受動喫煙が原因となって病気で死亡した人数を計算。2004年に世界中で60万3000人が死亡したと推定した。

死者のうち、16万6000人は14歳以下の子供だった。世界中の子供の40%が家庭などで、受動喫煙にさらされており、特にアフリカや南アジアでの被害が大きかった。

15歳以上の喫煙していない男女でも、30%以上が受動喫煙にさらされており、女性28万1000人、男性15万6000人が、1年間に亡くなった。


元論文のタイトルは、”Worldwide burden of disease from exposure to second-hand smoke: a retrospective analysis of data from 192 countries”です(論文をみる)。

受動喫煙による疾病負担は、小児および非喫煙成人に対するDALYs (Disability adjusted life years)によって評価したそうです。WHOによると,DALYsとは,早期の死亡により失われる生存年数(YLL)と健康状態への疾病発生により生じた障害のために失われた生存年数(YLD)の和だそうです。1 DALYは、完全な健康状態での1年間の生存と等価な損失を意味するそうです。

論文によると、2004年世界中の子供の40%、15歳以上では非喫煙男子の33%、非喫煙女子の35%が受動喫煙に曝されたそうです。この暴露の結果、虚血性心疾患で37万9000例、小児の下気道感染症で16万5000例、喘息で3万6900例、肺がんで2万1400例が死亡したと考えられるそうです。これは世界中の死亡原因の約1%で、受動喫煙による死亡の47%が女性、28%が子供、26%が男性だそうです。

受動喫煙による2004年のDALYs数は、1090万で、これは世界全体のDALYsの約0.7%、このDALYsの61%が子供だそうです。最大の疾病負担は、5歳以下の子供の下気道感染症(5,939,000)で、次いで虚血性心疾患(2,836,000)、大人の喘息(124,600)、子供の喘息(651,000)でした。

受動喫煙による死亡が世界中の死亡原因の約1%で、DALYsでは約0.7%という数字が多いのか少ないのか、私には良くわかりません。そもそも、これらの数字の計算根拠も良く理解できませんでした。この論文は数字の多さではなく、世界のどの地域で改善の余地が大きいか、どのような点を改善すべきかを記載しているのだと理解しました。

日本を含む地域では、子供、成人男性、成人女性の半数以上が受動喫煙に曝されていると論文には書かれています。記事に書かれている世界平均よりも悪い数字です。日本のマスコミには、このような事実を報道してほしいと思います。

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