「低学力者用」センター入試は必要か?

センター入試、難易度別に2種類 16年導入を検討

以下は、記事の抜粋です。


大学入試センター試験を難易度別に2種類にする検討を、独立行政法人「大学入試センター」が始める。2016年1月実施が目標になる。受験生の学力の幅が広がったことなどから、1回1種類のセンター試験で学力をつかむのが難しくなったためだ。

現段階で想定されているのは、試験科目を主に国公立大(一部の私大も含む)の志願者向けのものと、私立大向けの基礎科目型に分ける2種類の試験。大学が二つのうちどちらかを選び、志願者が受験する仕組みが考えられる。

センター試験問題は平均60点水準で作られている。だが、成績分布のグラフが上位と下位の二つの山になっている科目もあるなど受験生の学力格差が広がる兆候が表れてきた。

その結果、難関大学ではセンター試験での結果で差がつかなくなり入学者選びに役立ちにくい一方、学力が一定程度に達していない受験生には問題が難しいという指摘も出てきた。同一試験で全体の学力を把握するのが難しくなっていると指摘され、早めに手を打つ必要が出てきた。

今春の事業仕分けや、文部科学省による09年度業務実績評価でも、入試センターが入試改善を視野に入れた取り組みの中心的役割を果たすことが必要と指摘された。同時に今後の検討についても文科省は理解を示している。


このような記事は、リーク情報なしには書けそうにありません。予算と天下り先を確保するための苦肉の策というところでしょうか?

記事には、「両試験とも一定量は同じ問題を出し、それぞれの得点を換算できる仕組みにするという。」という記述がありますが、それなら問題の数を増やして難易度にばらつきを入れればすむと思います。成績分布のグラフが上位と下位の二つの山になるよりも、「高学力者用」と「低学力者用」の2つのセンター試験をつくる方が良い理由も良くわかりません。

また、補助金など何らかのインセンティブがなければ、大学は「低学力者用」センター入試を採用せず、センター入試を課さないで入学させるでしょう。試験が必要なら、予備校に外注することができます。大学は、その方が体裁が良いし、予備校も少子化で苦しいのでよろこんで良い問題を作ってくれるはずです。英語ならTOEFLやTOEICが使えます。

既に、「学力が一定程度に達していない受験生」は大学に入学しています。このような学生に高校の補習授業を行うことを「リメディアル教育」とよびます。「日本リメディアル教育学会」なる学会まであります(学会案内をみる)。ホメオパシーのレメディーと同じ語源で、「治療」とか「救済」の意味です。

ただ、こんなことをしないと専門教育について行けないかというと、そうでもないのです。日本の高校教育、大学の教養教育、専門教育の3つの間にはほとんど連続性がありません。入試で物理を選択しない学生は、教養課程の物理を全く理解できない、しかし医学を学ぶのには全く問題がないという状態です。

まとまらなくて申し訳ありませんが、そんなこんなで「低学力者用」センター入試は不要だと思います。独立行政法人「大学入試センター」の生き残りをかけた業務拡張案ですが、仕分けの網にかかりそうな気がします。

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