新規クラス多発性硬化症治療薬フィンゴリモドをロシア規制当局が承認

1日1回経口投与可能な新規クラス多発性硬化症治療薬フィンゴリモドをロシア規制当局が承認
以下は、9月15日に発表されたノバルティスのプレスリリースの抜粋です。
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●再発寛解型多発性硬化症(relapsing-remitting multiple sclerosis, RRMS)治療薬フィンゴリモドが、世界で初めてロシアで承認。RRMS は多発性硬化症(multiple sclerosis, MS)の中でも最も多くみられる病型。
●フィンゴリモドは新規クラスの初の疾患修飾性治療薬(Disease Modifying Therapy)であり、有意な有効性を示すとともに、良好な安全性や忍容性も明らかにされている。
●フィンゴリモドに対するFDAの審査結果は、2010年9月に得られる予定。その他各国でも承認審査中。
2010年9月10日、バーゼル発 – ロシアの保健当局である「連邦医療・社会発展監督局」は、1日1回投与の経口剤であるフィンゴリモド(販売名:ジレニア、Gilenya)0.5mgを、RRMSの治療薬として承認しました。MSの約85%は、発病時にRRMSの症状を示します。フィンゴリモドの承認はロシアが世界初であり、新たな治療選択肢が提供されることになります。2011年初頭に発売する予定です。
今年6月、米FDAの諮問委員会は、フィンゴリモドの承認を満場一致で勧告しました。この勧告をもとに、FDAは2010年9月に、承認に関する最終結論を出すものと予想されています。また、欧州医薬品庁(EMEA)をはじめとする世界各国の保健当局もフィンゴリモドを承認審査中です。
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FDAも9月22日に承認しました(ニュースをみる)。関連記事に書いたように、フィンゴリモド(FTY720)は純国産の薬物でしたが、ノバルティスが1997年に田辺三菱製薬からライセンスを取得し、臨床開発を行いました。
FTY720は、生理活性物質スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)アナログとして働きます。S1Pは受容体を介してT細胞などの遊走を促進させる働きがあります。
FTY720は、スフィンゴシンキナーゼ2によってリン酸化され、FTY720-Pになります。FTY720-Pは、S1P1受容体に結合し、受容体と共に細胞内へ数日間取り込まれます。これによって、S1Pが結合できるS1P1受容体数が減少し、T細胞はS1Pに反応しにくくなります。
MSは、脳や脊髄に自己のリンパ球などが浸潤する自己免疫疾患で、神経組織の炎症と神経細胞の軸索を絶縁している髄鞘の脱髄がおこります。
フィンゴリモドは上記のようなメカニズムで、T細胞の遊走能を減弱させるので、神経組織に浸潤するリンパ球が減少し、炎症が抑制されます。また同時に、抗体を産生するB細胞の働きも抑制されます。これらがRRMSの症状を改善すると考えられています。
特に何か貢献したわけではありませんが、私にとってフィンゴリモドは、その創薬時期から知っている数少ない薬の1つです。RRMSの治療に大きく貢献してくれることを祈っています。
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