近視の原因遺伝子を特定!?

多くの人が悩まされている「近視(近眼)」を予防できる薬が登場か、原因遺伝子を特定

以下は、記事の抜粋です。


近視は世界で最も多い眼疾患で、現在コンタクトレンズや眼鏡を使用している人の大部分が近視矯正のため使用していると思われます。

近視の兆候は、多くの場合子どものうちに現れます。原因のうち生活習慣などの後天的因子と遺伝がどれほどを占めるかは人により異なりますが、特にひどい近視の人々では、80%が遺伝的要因によるものと言われています。

ネイチャー ジェネティクス誌に発表された2つの別々に行われた研究で、近視の人に多く見られるDNAのバリエーションが発見されました。キングス・カレッジのChris Hammond博士は第15染色体の中の1つのセクションが、近視の人に多く見られることを発見し、エラスムス大学のCaroline Klaver博士も、やはり第15染色体にある別のセクションが、近視と関連することを発見したそうです。

この近視の人と近視でない人の間にあるDNAの違いは、眼球の成長をコントロールし目に入った光が網膜で電気信号に変換されることを保障する3つの遺伝子の働きに影響すると考えられます。つまり、近視になりつつある子どもではこの3つの遺伝子がうまく働いていないため、眼球が「育ちすぎて」しまっているようなのです。

Hammond博士は「点眼薬や錠剤などでブロックすることができる経路を見つけ、脳の発達や身体のほかの過程をさまたげずに眼球の育ちすぎを止めることができれば、と期待しています」と語っていますが、大人の近視は、子どもと比べ治療することは難しいとのことです。


キングス・カレッジのグループの論文のタイトルは、”A genome-wide association study for myopia and refractive error identifies a susceptibility locus at 15q25″で(論文をみる)、エラスムス大グループの論文のタイトルは、”A genome-wide association study identifies a susceptibility locus for refractive errors and myopia at 15q14″です(論文をみる)。

最初の論文では、まず英国の一卵性双生児4270名のSNP解析を行い、引き続いてヨーロッパやオーストラリアの13414名のSNP解析を行うことで、15q25の約120kbの領域が近視と高い関連を示すことを明らかにしました。この領域は、RASGRF1という遺伝子のプロモーター領域と重なります。

RASGRF1は、Rasのグアニンヌクレオチド交換因子をコードしており、このタンパク質は、マウスの神経細胞や網膜、ヒトの網膜にも多く発現するしているそうです。さらに、RASGRF1のノックダウンマウスでは、水晶体が大きくなることも確認しています。

2つめの論文は、オランダで5328名を対象とするSNP解析を行った結果、15q25とは異なる15q14という領域を同定しました。この領域は、ACTC1GJD2という2つの遺伝子の転写調節領域と重なります。

ACTC1は平滑筋アクチンをコードしており、GJD2はConnexin36 (CX36)という膜タンパク質をコードしています。CX36は、神経細胞がその隣の細胞との間に作るギャップ・ジャンクションというチャネルのタンパク質で、視細胞にも多く発現しています。

2つの研究が異なる遺伝子を同定したことについて、2つ目の論文では、身長の決定因子と同様、近視を決定する因子は多く存在し、これらの論文で見つかった遺伝子で説明できるものはごく一部であると説明しています。記事のタイトルは少し誇張しすぎだと思われます。

レンズが分厚くなると近視になる(視力回復の研究ノートより)

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