新しいダイエット薬ロルカセリン(Lorcaserin)は、セロトニン5-HT2c受容体アゴニスト

Multicenter, Placebo-Controlled Trial of Lorcaserin for Weight Management(体重管理に対するロルカセリンの多施設、プラゼボ対象臨床試験)

以下は、論文要約の抜粋です。


背景:ロルカセリンは選択的セロトニン5-HT2c受容体アゴニストで、体重減少に効果があるかもしれない。

方法:二重盲検臨床試験で、3182人の肥満成人(BMI値平均は36.2)に対して、ロルカセリン(10mgx2/day)あるいはプラセボを52週間投与した。52週後、プラセボ群にはプラセボを投与し続け、ロルカセリン群にはランダムにロルカセリンあるいはプラセボを投与した。主要アウトカムは、1年後の体重減少と2年後の体重維持とした。

結果:1年後、ロルカセリン群の55.4%とプラセボ群の45.1%が臨床試験に残った。1年後、ロルカセリン群の47.5%とプラセボ群の20.3%が体重を5%以上失った。1年間でのロルカセリン群の平均体重減少量は5.8kgで、プラセボ群は2.2kgだった。

1年目にロルカセリン投与によって5%あるいはそれ以上体重減少を示した患者において、2年目もロルカセリン投与を受けた患者では67.9%が体重減少を維持し、プラセボ投与を受けた患者では50.3%が体重減少を維持した。

ロルカセリンの有害事象としては、頭痛、めまい、吐き気が頻度が高かった。重篤な有害事象の発生頻度は両投与群においてほぼ同等だった。


上記以外にも、ロルカセリン投与群はプラセボ投与群に比べて、胴囲、BMI、血糖値パラメーター、C反応性蛋白、フィブリノーゲン濃度の有意な減少を示し、総コレステロール値、LDLコレステロール値、トリグリセライド値についても、有意に低値を示したそうです。

また、ロルカセリン投与群では心拍数又は血圧の増加は観察されず、心臓弁疾患の増加も観察されませんでした。

ロルカセリンは、視床下部のセロトニン5-HT2c受容体を刺激して、食欲や代謝を調節するといわれています。

セロトニン5-HT2c受容体アゴニストのダイエット薬としては、フェンフルラミン(Fenfluramine)という薬物が過去に米国で商品化されていました。フェンフルラミンはダイエットサプリメントなどにも含まれて売られていましたが、1997年に心臓弁膜症疾患の原因となることが米国医学誌の研究論文に発表された後、FDAの指導により市場から回収されました。

フェンフルラミンの心臓弁膜症(逆流)のリスクは、心臓弁に豊富に存在するセロトニン5-HT2b受容体の刺激によるといわれています。ロルカセリンにも5-HT2b受容体刺激作用があるそうですが、今のところは心臓弁関係の問題は発生していません。

ロルカセリンは、元々はアメリカのArena Pharmaceuticalsというバイオ製薬会社により創薬されました。本剤のFDAへの申請は2009年12月にArena社から提出されており、承認取得後は、エーザイのアメリカ子会社が米国において独占的販売を行うことになるそうです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする