Ca拮抗薬と下腿浮腫

Ca拮抗薬と下腿浮腫

Ca拮抗薬にて治療中の68歳高血圧症女性に、靴が履きにくいほどの下腿浮腫が出現し、利尿薬を投与しても浮腫は改善しなかったが、Ca拮抗薬を他の降圧薬に変更すると、すぐに下腿浮腫が消失した、という例を知りました。「Ca拮抗薬 下腿浮腫」というキーワードでサーチし、このサイトをみつけました。

ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬と下腿浮腫についての記述を抜粋して紹介します。


1.Ca拮抗薬とは
Caは、筋肉の収縮に大きな関わりを持っており、CaイオンがCaチャネルという一種の穴を通って細胞の中に入ると筋肉が収縮します。Ca拮抗薬はCaイオンがCaチャネルを通るのを邪魔して筋肉の収縮を妨げるという作用を持っており、血管の筋肉(血管平滑筋)に働くと、血管が拡張して血圧が下がります。

2.下腿浮腫という副作用
浮腫には全身がむくむ場合と体の一部がむくむ場合(局所性浮腫)があります。Ca拮抗薬による浮腫は局所性であることが多く、足の甲やくるぶし等がむくむ下腿浮腫のほか、まぶたや手指などに生じることもあります。薬の量が多いほど、服用期間が長いほど、確率は高くなります。この副作用は次のようなメカニズムで起こると考えられています。

Ca拮抗薬は、末梢静脈よりも末梢動脈に対して強く血管拡張作用を示すので、静脈と動脈との間にアンバランスが生じます。末梢動脈が拡張するのに末梢静脈が拡張しないという状態です。これにより毛細血管圧が上昇して血液の流れが悪くなるため、血液の成分が血管外に漏れ出し浮腫を生じます。

3.まとめ
欧米におけるCa拮抗薬の副作用として最も多いのが下腿浮腫で、20~30%(多いものでは50%)に見られます。それに対して、日本国内ではそれほど頻度は高くありません。これは人種差によるものではなく、医師や患者さん自身の見落としではないかと考えられています。逆に言えば、軽いうちは見落としていても問題ない副作用だとも言えるようです。

しかし、足の甲やくるぶしのむくみは靴が履きにくい、歩きにくいといった生活上の不便を強いることがあり、ひどい場合は歩けなくなる人もいるそうです。Ca拮抗薬による下腿浮腫に対して、利尿薬は理論的にも実際にも無効です。

Ca拮抗薬を長期間服用した人が、いくら利尿薬をのんでも足のむくみが取れないときは、Ca拮抗薬の副作用を疑ってください。医師に相談する際にも、Ca拮抗薬の副作用ではないかと聞いてみることをおすすめします。


上記のように、下腿浮腫発現機序としては、Ca拮抗薬の末梢動脈における血管拡張作用が静脈での作用に比べて強いため、細動脈の拡張に細静脈の拡張が伴わず、細静脈が拡張する事なく細動脈が拡張し、毛細管内圧が上昇するためと考えられています。

つまり、細動脈と細静脈に対する血管拡張作用の違いにより、浮腫の発現頻度に差が生じると考えられ、全身の体液量増加によるものではありません。だから、利尿薬は効きません。内服開始から5年以上も経って見られることもあるそうです。

こうしてみると、Ca拮抗薬による下腿浮腫現は、副作用というよりも、薬理作用そのものですね。どうして、浮腫が出現しやすい人とそうでない人がいるのか、とても不思議です。

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