米でアトピー薬使用後にがん 5年間で子ども46人

米でアトピー薬使用後にがん 5年間で子ども46人

以下は、記事の抜粋です。


日本でも販売されているアステラス製薬の「プロトピック」(一般名・タクロリムス水和物)など2種類のアトピー性皮膚炎治療薬を使った米国の子どもが、2004年1月~09年1月の5年間に計46人、白血病や皮膚がんなどを発症し、このうち4人が死亡したと米食品医薬品局(FDA)に報告されていることが3月21日分かった。

適応対象外の子どもに使ったり、長期間使い続けたりするなど、使用法が守られていないケースが多いという。因果関係は明確ではないが、発がんと関連する恐れがあるとして、FDAは近く専門家会議を開き、薬の添付文書改訂を検討する。

もう一つの薬はノバルティス社(スイス)の「エリデル」(日本未発売)。いずれも塗り薬で免疫抑制作用がある。

FDAによると、0~16歳でプロトピックを使った15人、エリデルを使った27人、両方を使った4人の計46人が皮膚がんやリンパ腫、白血病を発症した。


エリデル(Elidel、一般名:ピメクロリムス、pimecrolimus)は、タクロリムスと類似の構造をもった薬物で、FKBP-12 (macrophilin-12)と複合体をつくってカルシニューリンの脱リン酸化酵素作用を抑制します。

ピメクロリムスは、タクロリムスと同じカルシニューリン阻害薬ですが、ランゲルハンス細胞(Langerhans Cell、表皮の基底層より上層に分布する樹状細胞で、表皮全体の細胞数の2~5%を占め、免疫監視や抗原提示機能などの役割を果している)に対する作用がなく、ステロイドやクロリムスと比べて皮膚の透過率は低いとされています。

FDAの報告によると、46例の悪性腫瘍の中、17例がリンパ腫、13例が白血病、8例が皮膚腫瘍(5例がメラノーマ)、他の腫瘍が8例でした。また、71例の感染症があり、その43例が皮膚の感染症、呼吸器感染29例、消化管感染5例などで、複数臓器感染や死亡例もありました(FDA報告をみる)。

上の結果をみると、軟膏として局所適用した薬物が局所だけに留まっているとは限らないようです。

以前から「使用上の注意」に書かれていることですが、1)第一選択薬としては使用しない。2)長期間の使用は避ける。3)2歳以下の子供には使用しない。の3つを守ることが重要だと思います。

以下は、Protopic(タクロリムス軟膏)の”black box warning”に書かれている文章です。


“The safety of using Protopic, and drugs like it, for a long period of time is not known. A very small number of people who have used Protopic have had cancer (for example, skin or lymphoma). However a link with Protopic has not been shown.”


中国のプロトピック軟膏

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