見えなくなった右目に左目の幹細胞を移植、視力が回復した男性

見えなくなった右目に左目の幹細胞を移植、視力が回復した男性

以下は、記事の抜粋です。


Russell Turnbullさん(38歳)の右目が見えなくなったのは15年前のことです。ニューカッスルでバスに乗っていたところ喧嘩に遭遇、Turnbullさんは仲裁を試みましたが、一人の男がアンモニアのスプレーを吹きかけました。

アンモニアはTurnbullさんの右目を直撃、角膜が傷害され、Limbal Stem Cell Deficiency (LSCD)と呼ばれる、ひどい痛みを伴う症状に悩まされてきました。目が光に敏感すぎるため、車の運転さえできません。

そんなTurnbullさんを救ったのはNorth East England Stem Cell Institute (NESCI)の医師たち、そして彼自身の左目でした。医師は健康な彼の左目から幹細胞を抽出、成長させたのちに右目へ移植することで、彼の視力を復活させることに成功しました。

NESCIはこれまで8人のLSCDの治療に成功しており、Turnbullさんはそのひとり。十分な臨床試験が行われたとはまだ言えないかもしれませんが、彼のように角膜の異常で視覚障害となる人は毎年800万人と見積られていますので、今後の一般化が期待されます。


発表された論文のタイトルは、Successful Clinical Implementation of Corneal Epithelial Stem Cell Therapy for Treatment of Unilateral Limbal Stem Cell Deficiencyです(要約をみる)。

幹細胞培養のコンタクトレンズ装着1ヶ月弱→失明治る(動画あり)という同じような記事もあるし、角膜再生医療の現状と課題という京府医大の講義スライドもあるので、幹細胞の移植自体は新しいことではなさそうです。

Newcastle大のPRページによると、免疫抑制薬を使わなかったことと、ヒト以外の動物材料を使わなかったことが新しいようです。

角膜は血流が少ないので、通常の角膜移植でも免疫抑制薬は要らないと思います。いずれにしても、LSCDは角膜移植では治らないようですので、このような治療は、患者さんにとっては本当の光明だと思います。iPS細胞が使えれば、両眼のLSCDでも治療可能かもしれません。
写真をクリックすると動画(ニュース)がみれます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする