糖尿病治療薬「DPP-4阻害薬」が、日本で初めて発売

糖尿病患者に朗報 10年ぶり新薬が発売

以下は、記事の抜粋です。


世界85か国以上で使用されている糖尿病治療薬「DPP-4阻害薬」が、日本で初めて、万有製薬によって発売される。新薬の名は「ジャヌビア錠」。日本ではじつに10年ぶりの新しい糖尿病治療薬の登場で、糖尿病患者には朗報だ。1日1回の経口投与で、食事に関係なく服用でき、血糖改善の有効性や副作用に関する安全性にも優れているという。

DDP-4阻害薬は、血糖値を下げるインスリンの働きを活発にする「インクレクチン」というホルモンの効き目をより強める薬だ。

インクレチンは、すい臓でインスリンをつくっている細胞に働きかけて、インスリンを多く分泌させる作用をもつが、インクレチンは分泌するとすぐにDPP-4という酵素によって壊されてしまう。DPP-4阻害薬は、このDPP-4の働きを抑えて、インスリンを増やして血糖値を下げる。

糖尿病の薬というとこれまで、肝臓でのグルコースの生成を抑制する「インスリン抵抗性改善系」や、すい臓からのインスリンの分泌を促進する「インスリン分泌促進系」、食後中の炭水化物をグルコースに分解する酵素の働きを阻害することで糖の吸収を遅らせて血糖値を下げる「食後高血糖改善系」があった。

ただ、低血糖症や肥満、むくみなどの副作用を伴うため、患者側もきちんと服用せず、血糖コントロールを妨げる結果になっていた。

「ジャヌビア錠」は、1日1回の投与で食事の影響を受けないので、いつでも気がついたときに服用できる。国内における12週での臨床試験ではヘモグロビンA1cの低下効果も認められ、既存の糖尿病治療薬との併用による有用性も認められた。


インクレチンとは、GIP(Gastric Inhibitory Polypeptide)とGLP-1(Glucagon-Like Peptide-1)の2つのペプチドホルモンです。

GIPは主に小腸上部のK細胞から、GLP-1は小腸下部のL細胞から分泌され、ともに膵β細胞からのインスリン分泌を促進する作用を持ちます。

インクレチンは、分泌後数分でdipeptidyl peptidase-4(DPP-4)によって分解されます。DPP-4活性を阻害して内因性インクレチン濃度を高めるのがDPP-IV阻害薬の作用機序です。

万有の「ジャヌビア」と小野の「グラクティブ」の一般名は、シタグリプチン(sitagliptin)で、米国のMerckが開発した薬物です。最も優れている点は、高血糖時にのみ作用し、低血糖の発現を気にすることなくHbA1cを効率よく下げられるということです。

その他のDPP-4阻害薬として、ノバルティスのビルダグリプチン(vildagliptin)、タケダのアログリプチン(alogliptin)などが開発中です。

問題は、他の生理活性ペプチドの分解を阻害することによる副作用です。FDAから急性膵炎の症例報告も出されています。

また、同じインクレチンでも、GIPよりもGLP-1の方が膵β細胞の増殖作用、肝糖新生の抑制、胃排泄の抑制、食欲抑制作用などの作用を持っているので、GLP-1アナログの開発も進んでいます。

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