「頭の良くなる薬」によるドーピング

米大学生の間で「頭の良くなる薬」が流行、将来は試験前にドーピング検査

頭のよくなるドラッグが学生の間で大流行…合法のため規制できず

Turbocharging the Brain–Pills to Make You Smarter?

はじめの2つは、guardian.co.ukの記事を訳したもの、3つ目はScientific Americanの記事です。以下は、guardian.co.ukの記事の抜粋です。


徹夜で勉強しやすくなり、記憶力が高まり、覚えたことを試験の本番で思い出しやすくなるといった、「スマートドラッグ(smart drugs)」とよばれる「頭の良くなる薬」が米国の大学生の間で人気だ。

10月1日発行のJournal of Medical Ethicsに、こうした「アカデミック・ドーピング」の可能性を指摘する研究論文が掲載された。

論文を執筆したのはシドニー大学の心理学者Vince Cakic氏。同氏によると、あるアメリカの大学では、4分の1の学生が「スマートドラッグ」を学業成績の向上を目的に使用しているそうだ。

スマートドラッグとして用いられるアンフェタミン(商品名デキセドリン)、メチルフェニデート(リタリン)、モダフィニル(モディオダール)は、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ナルコレプシー(居眠り病)などの患者に対して使われてきた薬だ。

ドネペジル (アリセプト)、ガランタミン (Reminyl) 、リバスチグミン (Exelon) などのアルツハイマー病や認知症の患者に対して使われる薬物も、スマートドラッグとして用いられている。

特に入学基準の高い学校で服用する学生の数が多いことが判明したという。薬の普及を抑制することはほとんど不可能だとカキック氏は指摘する。
「将来の試験会場では、監督官が紙コップを片手に持った学生たちに尿のサンプルを提出するよう求めるといった光景が見られるかもしれない」と同氏は話す。


日本では、アンフェタミンは覚せい剤取締法により使用が禁止されています。また、メチルフェニデートとモダフィニルも第1種向精神薬に指定されているので、若者が合法的に入手して使用する可能性は低いと思われます。

しかし、ドネペジルなどの認知症に用いられる薬物は、濫用や依存などが報告されておらず、向精神薬にも指定されていません。作用するメカニズムも覚醒剤とは違います。

アンフェタミンやメチルフェニデートなどの覚醒剤は、ドパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達を増強しますが、ドネペジルやガランタミンはアセチルコリンの神経伝達を増強します。

近い将来、新しい認知症治療薬として、ニコチン受容体を刺激する薬物、グルタミン酸ニューロンに働く薬物、ヒスタミンH3受容体阻害薬などが、次々に登場する予定です。これらは、すべてスマートドラッグの候補です。

幸い(?)、日本の大学生は、勉強のために薬物を飲む状況にはなさそうですが、大学受験、中学受験などのために子供が認知症の薬をスマートドラッグとして飲む、あるいは飲まされる可能性は、あるかも知れません。

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