タミフル耐性新型インフルエンザウイルス

人から人へ感染か=タミフル耐性新型インフル-米

以下は、記事の抜粋です。


米疾病対策センターは、9月11日、タミフルに耐性を示す新型インフルエンザのウイルスが、米国内で人から人へ感染した恐れがあると発表した。

ノースカロライナ州で開催されたサマーキャンプで6月に新型インフルエンザが発生。その中で、同じ丸太小屋に宿泊していた少女2人から耐性ウイルスが確認された。2人が別々のウイルスから感染した疑いも残るものの、人から人への感染が強く疑われている。

また、キャンプでは少女2人を含めた数百人の参加者に対し、予防のため事前にタミフルを服用させていた。CDCは耐性ウイルスを発生させやすくするとして「健康な人にまで予防投与を行うべきではない」と強く警告した。


タミフルはどの程度効くのか?どういう場合に使うべきか?」で書いたように、タミフル(オセルタミビル)は、ノイラミニダーゼ(NA)阻害薬です。NAは、ウイルスが宿主細胞から遊離する際に必要ですので、タミフルはウイルスが細胞に次々と感染するのを防ぎます。

タミフル耐性ウイルスでは、NAをコードする遺伝子に点突然変異がおこり、アミノ酸が置き換わることでNAの立体構造が変化し、タミフルが効率よく結合できなくなっています。この立体構造の変化がNA活性や感染性の強弱に影響することもあります。

これまでに新型でみつかっている変異は、NAの275番目のヒスチジン(H)がチロシン(Y)に置換したH275Yとよばれる変異です。「耐性ウイルスが確認された」と報道されていますが、実際には耐性を実験的に確認したわけではなく、分離したウイルスに「耐性ウイルスに見られる変異が確認された」だけです。

さて、2008年から2009年にかけて流行したAソ連型ウイルスは、そのほとんどがH275Yタイプのウイルスでした。つまり、タミフル耐性変異と強い感染性をあわせ持っていました。Aソ連型H275Y変異ウイルスのタミフルに対する感受性は、野生型の1/300から1/1000であることがわかっています。臨床的には、タミフルはまったく無効です。

これらの事実をもとに考えると、新型のH275Y変異ウイルスに対しても、タミフルは無効だと思われます。また、この変異ウイルスに強い感染性があっても不思議ではありません。それでも、大騒ぎしたり、心配する必要はないと思います。


ところで、木村盛世さんのブログに、新型インフルエンザワクチンについての面白い記事がでています。是非、お読みください。

医系技官も感染研も自己保身のみ!
果たしてワクチンは輸入されるのか?

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