Contrave®が第3相臨床試験でFDAの肥満治療基準を達成

Experimental Weight-Loss Drug Successful in Clinical Trials
以下は、記事の日本語訳です。


プレス発表によると、Orexigen Therapeutics社が開発したContrave®という実験的体重減少薬が、第3相臨床試験において有意な体重減少効果を示した。

2つの臨床試験グループにおいて、それぞれ平均約7.92kgと7.88kgの体重減少を示した。また、2型糖尿病の患者グループでは、6.1kgの減少を示した。これらの臨床試験には3800人が参加し、56週間続けられた。

Orexigen社は、Contraveが米国FDA (Food and Drug Administration)によって、2010年に認可する見通しであると発表した。副作用には、吐き気と便秘がある。より重大な副作用として、膀胱感染症と痙攣が少数の患者に認められる。

(Orexigen Therapeutics社のプレスリリースはここ。)


Contraveは、ナルトレキソン(naltrexone)とブプロピオン(bupropion)の合剤です。ナルトレキソンは麻薬拮抗薬の一種で、日本では使用が認められていませんが、米国では麻薬中毒やアルコール依存症の治療に用いられています。

ブプロピオンは、ノルアドレナリンおよびドパミン再取り込み阻害薬(DNRI)の一種で、これも日本ではまだ承認されていませんが、欧米では、抗うつ薬として、あるいは禁煙補助薬として用いられています。

上記プレスリリース中の説明によると、Contraveは、中枢神経系の2つのレベル、1つは食物摂取と代謝のバランス制御のレベル、もう1つは、食物に対する嗜好、心理的報酬、欲求を制御するレベルに対して働くそうです。

日本では、マジンドール(Mazindol、商品名:サノレックス®、ノバルティス)が、唯一承認されている食欲抑制薬です。作用機序はブプロピオンと良く似たノルアドレナリンおよびドパミンの再取り込み抑制です。しかし、構造的にも薬理学的にも覚醒剤(アンフェタミン)と類似しており、習慣性や耐性発現が問題です。これらの理由から、保険対象は高度肥満のみで、投与期間も短期間(3か月を限度)に限られています(製品情報をみる)。

また、マジンドールは、医師が認めれば適用外の処方も可能です。このため美容ダイエットに用いられるケースも多く、以下のような事件も発生しました。


マジンドール無資格処方初公判で罪状否認 大阪地裁

マジンドールめぐり無罪主張の医師に懲役1年6カ月求刑

—起訴状によると、風本被告は平成17年6月~18年9月、代表を務める「メディカルサロン」系列の東京都内や大阪市内の診療所で、医師でない店長らに、計26回にわたりマジンドールなどを処方させたとされる。—判決は2009年9月10日に言い渡される。


上記「メディカルサロン」のサイトでは、『豊富なノウハウからあなたにぴったりのダイエットをご提案!食欲抑制剤マジンドール(サノレックス)を利用するてっとり早いダイエットも!』という宣伝をしています(サイトをみる)。裁判で争われているのは、医師以外の人間が処方したかどうかですが、本当の問題は、別のところにあるような気がします。

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