クスリのロゴ入りボールペンを受け取るのは「利益相反行為」?

昨日に続いて、今日も「利益相反」の話です。

アメリカ国家アカデミーの一部であるInstitute of Medicine (IOM)のRobert Steinbrook氏は、5月21日、The New England Journal of Medicine に「利益相反のコントロール — IOMからの提案(原文:Controlling Conflict of Interest — Proposals from the Institute of Medicine)」と題する記事を掲載しました(記事をみる)。

記事の中で、「医学における利益相反についてIOMが推奨すること(原文:Overview of IOM Recommendations about Conflict of Interest in Medicine)」として、まとめられたものを以下に紹介します(抜粋、私の訳です)。


1.医学研究、教育、診療などに従事する機関は、「利益相反ポリシー」を導入し、実践しなければならない。また、「情報公開ポリシー」も強化しなければならない。これらの機関は、産業との金銭関係の情報公開について、内容、形式、公開方法を標準化しなければならない。

2.議会は、製薬、医療機器、バイオテクノロジーなどの企業や関連する財団から、医師、医学研究者、医療機関、専門学会、患者擁護団体、疾病団体、生涯医学教育プロバイダーなどへ支払われる金額の公開義務化法案をつくらなければならない。法制化されるまでの期間、企業は自主的に報告を行わなければならない。

3.大学病院、研究機関、医学研究者は、利益相反行為のある研究者を排除しなければならない。

4.大学病院、教育病院、教員、学生、レジデント、医員などは、医学教育における産業との関係を改革しなければならない。また、これらの機関や専門学会は、利益相反についての教育を行わなければならない。

5.生涯医学教育のプログラムを作製する組織は、資金制度を改革し、企業の影響を排除し、システムの整合性に対する国民の信頼性を強め、質の高い教育を提供しなければならない。

6.医師、専門学会、病院などは、医師と産業との金銭上の関係を改革しなければならない。また、同一の規範が医学部教員、研修医・医学生にも適用されなければならない。これらの人々は、製薬、医療機器、バイオテクノロジーなどの企業からの、いかなるプレゼントも受け取るべきではない。合法的な労働に対する適切な報酬だけを受け取るべきである。産業によってコントロールされた講演や論文発表をおこなってはならない。また、ゴーストライターによって書かれた論文の著者になってはならない。製薬あるいは医療機器メーカーの営業担当者とは、文書化した予約と明確な承諾がなければ、面会すべきでない。各機関が、それぞれのポリシーを変更するまで、医師やインターンなどは、これらの推奨事項を自発的に行動規範とすべきである。

7.医療関係企業などは、医師との関係を改革すべきである。例えば、医師にプレゼント、食事、無料薬物サンプルなどを提供したり、ゴーストライティングした論文の著者になることを依頼したりしないように、ポリシーを設け、社員の訓練を行う。顧問契約を結ぶ場合は、文書化し、適正な市場価格を支払う。

8.診療ガイドラインを作成するグループは、産業からの資金やメンバーの利益相反行為を排除すべきである。


クスリのロゴ入りボールペンは、「製薬、医療機器、バイオテクノロジーなどの企業からのプレゼント」に該当します。

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