大学院生の就職活動

大学院生の就職活動:「早期化は進路選択狭める」 不況で不合格者相次ぐ

記事では、昨年の10月に、「国立8大学の工学部長らが昨年10月、就職活動は修士課程2年の4月以降に始まるべきだとする声明文を日本経団連に提出した。」とあり、京大の大嶌工学研究科長・工学部長が、「今年は多くの企業が4月から採用活動を始めてくれた。不況の影響で企業は採用を待ちたかったのではないか。結果的に声明文通りに採用時期を遅らせてくれた企業が多かったのかもしれない。」と、声明の効果があったように話したと書かれています。私は、不況のせいで企業が慎重になっただけだと思います。

さらに、大嶌先生は以下のように話したとされています。Re:の後に私の感想を書きます。


「修士課程から大学を替わった学生もいる。入ってきて3カ月ほどでは、どの程度の能力があるのか教員は見極められず、推薦状も書きようがない。学生本人もその時点で自分の適性など分からない。」
Re: 医学研究科の修士課程の場合は、全員4月から新しく研究を始めた学生ばかりです。だから、就職活動が始まる10月には約半年在学しています。人を見る眼に自信はないですが、半年あれば、どの程度の能力があるかはわかります。学生本人による適性の判断は難しいので、あと半年待っても情況はたいして変らないでしょう。

「就職活動も長期化する。企業にとっても、そういう学生を採用する青田買いはあまりにリスクが高い。早期の採用活動は誰の得にもならない。」
Re: 企業は、良い学生を早く確保するために青田買いをします。現状では、4月まで待つメリットがなく、企業にとっては、青田買いをする方が得だと考えているのでしょう。

「早く内定が出た学生がその後しっかりと勉強をするかというと、そうではない。本当は2年間やらねばならないのに、気が抜けて遊んでしまうことがよくある。研究をやってほしいのに戦力にならない。」
Re: こんな学生でも修士の学位がとれるからダメなのです。京大なら、優秀な学生が2年間頑張ってはじめて修士の学位がとれるような制度に改革したり、修士課程を3年間にしても学生は来るでしょう。戦力になるならないは、教員側の都合ですね。


私は、大学院生の就職活動は、非常に教育効果の高い課外活動だと思っています。志望理由書や研究概要を何度も書くことで、作文能力がつき、自分の研究を3-5分にまとめて話すことで、プレゼン能力がつきます。皮肉ですが、就職活動をやって、はじめて自分の研究の意義を理解する学生もいると思います。

何よりも、挑戦、不合格、再挑戦を何度も繰り返し、自分をみつめることで人間的に成長します。そのため、最初から博士課程への進学を希望する学生にも、まず就職活動をして、どこかの企業から内定をとってから進学を考えるようにアドバイスしてきました。

「推薦状も書きようがない」と言いながら、書いてしまう甘い体質も青田刈りの原因です。入学すればだれでも修士の学位がとれ、教授の推薦状よりも、面接やSPIが信用されている間は、青田刈りが続くと思います。

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