世界の製薬大手4社中3社が減益など。

世界の製薬大手4社、3社が減益 1―3月、特許期間で明暗

「世界の製薬大手4社の2009年1―3月期決算は米ファイザー、英グラクソスミスクライン、スイスのノバルティスの3社が減益、仏サノフィ・アベンティスが唯一増益を確保した。」というニュースです。3社の減益は、主力商品が特許切れになり、ジェネリック医薬品にシェアを奪われた結果のようです。また、サノフィ・アベンティスの増益は、抗血小板薬「クロピドクレル」(商品名:プラビックス)の売り上げが伸びたためです。

「新薬を次々と開発することで儲ける」という大手製薬メーカーのビジネスモデルは、行き詰っているように思います。開発コストが年々増えているにもかかわらず、新薬が出るペースは年々下がっています。降圧薬、スタチン、消化性潰瘍治療薬などは出尽くした感があり、ほとんど新薬を出せる余地はありません。

一般名処方のすゝめ」で書きましたが、新薬は、20-25年間「特許」により保護されています。しかし、この特許による保護も危うくなっています。その例を紹介します。

慢性骨髄性白血病では、多くの場合、特定のリン酸化酵素が遺伝子の変異により活性化されていることが原因です。ノバルティス社の「グリベック(一般名:イマチニブ)」は、このリン酸化酵素を特異的に抑制して非常に良く効きます。しかし、グリベックは高価です。1錠3000円以上の薬を毎日約4錠、何年間も飲み続ける必要があります。日本では、費用のほとんどが健康保険によってカバーされますが、それでも薬代だけで毎月約4万円以上必要です。

学生さんから教えてもらったのですが、一部の患者さんは、インド製のイマチニブのジェネリックを個人輸入しています(個人輸入の例をみる)。驚いたことに、インドではグリベックの特許が認められていないため、ジェネリックが安価で作られています。

グリベックが高価なのは、膨大な研究開発費を反映しているのだと思いますが、途上国の多くの人々はこのような費用を負担することはできません。HIV/エイズ治療薬の抗レトロウイルス(ARV)薬も同様です。現在、途上国でHIV/エイズ治療に用いられている医薬品のうち半分以上は、インド製のものです。国境なき医師団はこれを支持しています(記事を読む)。

平均寿命が、人間本来の寿命に近づけば近づくほど、新薬の可能性は低くなっていきます。新薬の発見をベンチャーに任せ、臨床開発をCROに任せ、MRをアウトソースする大手製薬会社は、どこへ行くのでしょうか?


昨日の審尋は、約10分ぐらいで終わりました。大学本部での事情聴取とは異なり、フェアな感じがしました。大学からは、代理人弁護士と傍聴の事務官4名(なぜこんなに多い?)が来ていました。相手の顔が良くわからない戦いです。次回は6月4日に決まりました。