交通違反調査

運送会社業界で、それぞれのドライバーがどの程度交通違反をしているかを調べる必要がある場合。

2つの調査方法を考えてみます。

1)1-2名の当該会社外の調査員が聞き取り調査を行います。すべてのドライバーを一人ずつ部屋に呼んで、「これは、匿名調査です。人数を確認するためにお名前はお聞きしますが、あなたがどんな答えをしたかはわからないようにします。どんな答えをされても、責任を問われることはありませんので、正直にお答えください。」と前置きしてから、

(a)あなたはこれまで、交通違反をしたことがありますか?
(b)どのような交通違反ですか?

などの質問をなごやかな雰囲気の中で行います。また、退社した人たちにも、連絡がつく限り多くの人から同様の聞き取り調査を電話でおこないます。

2)調査用紙を上司に配布し、部下のドライバーからの回答を集めさせます。調査用紙には1)とほぼ同じ質問が記入してありますが、自筆での署名が必要で、用紙には「回答によっては、今後運転を続けられないこともあります」という注意書きがあります。

(a)あなたはこれまで、交通違反をしたことがありますか?次のどちらかに◯をつけてください(Yes, No)
Noに◯をつけた場合は、以下の質問に答える必要はありません。
Yesと記入した場合は、以下の質問に答えてください。
(b)どのような交通違反ですか?以下にできるだけ具体的に記入してください。
 (                             )

用紙は、一度上司が結果を確認した後で、集計します。退社した人たちには、調査を行いません。

同じ会社で調査を行ったとしても、1)と2)の結果は大きく異なることが予想されます。運送会社が自社のドライバーの運転実態を把握し、成果主義の場合に陥りやすいスピード違反などをどうすれば減らすことができるか等の対策を立てるためには、1)の方法が適当で、行政当局などに、会社がコンプライアンスをきちんと守っていることをとりあえず示すためには、2)の方法が適当だと思います。2)の場合、調査前に結果によっては、上司の責任を問うかもしれないとほのめかしておけば、さらに違反率の低い結果が期待できます。

運送業界全体を調査した場合を考えてみます。1社だけが1)の方法で調査され、他の会社は2)の方法で調査された場合、交通違反をしていたのは、何百社中で1社だけだったという結果も考えられます。1)の方法で調査された1つの会社だけがひどい違反をしていて許せない、ということで営業停止にすれば、ひどい会社は1つだけで、運送業界全体としては思ったより運転マナーが良かったという評価を受けることができます。

このように、1社だけ正しい方法で調査され、多少のずれはあっても一定の確率で存在するはずの違反がみつかっただけで廃業になるという不当なことがおこっても、今さらどのドライバーも、実は私も違反していたとは言えないですね。

運送業界全体を1)の方法で再調査し、交通違反の実態と向き合うことが、改善に役立つ唯一の方法だと思います。